自己破産をすると何が起きるの?生活はどう変わる?

自己破産をすると何が起きるの?生活はどう変わる?

借金が膨れ上がってしまってどうにもならない、完済できる目処も立たない、自己破産をするしか生きていく方法はない、そういう状況に追い詰められてしまうことは、いつ誰に起こるか分かりません。
しかし実際に自己破産をしてしまうと、何か大変なことが起こるのではないか、生活が非常に不自由になるのではないかと心配する人も多いと思います。

 

この記事では、自己破産を申請した後の手続きの流れ、注意点などについて説明していきます。また、自己破産をするとその後何が起きるのか、生活がどのように変化するのかということについても、くわしく説明していきます。

 

自己破産をすると、住んでいた家から追い出される?

自己破産をすると財産を失うことになる、家もなくなり、住んでいた場所から追い出されるというイメージを持っている人がいます。
自己破産をすると、確かに財産は没収されてしまうので持ち家も無くなってしまいますが、着の身着のままで追い出されるようなことはありません。
とは言っても、明け渡し日までに引越しをしていないと強制的に荷物を運び出され鍵を変えられてしまうという措置を取られてしまうこともあるので、注意が必要です。

 

持ち家の場合

自己破産した人の所有する家は、没取され競売にかけられることになります。
落札があり買取人が代金を納付すると、家の所有権は買取人に移ります。
所有権が移った後もその家に住み続けていると、不法占拠になります。

 

立ち退きの流れ

競売にかけられた家を買取人が購入します。家の所有者が買取人になった後もその家に前所有者が住んでいた場合、買取人は裁判所に「不動産引き渡し命令」を申し立てます。
この申し立ては、だいたい二週間で確定し、強制執行の申し立てが可能になります。

 

一月後に出て行くようにという明け渡し催促があります。明け渡し日までに引越しが完了していないと、強制執行が行われることもあります。荷物を運び出され、鍵も変えられてしまい、強制的に家から退去させられます。そうなってから引越し先を探すのは非常に困難なので、自己破産の手続き中から引越し先を探しておいた方がいいでしょう。少なくとも、明け渡し催促があったら早急に引越し先を決めましょう。

 

たいていの場合自己破産手続きを進める中で、依頼をしている弁護士や司法書士が自己破産後の生活設計についても相談に乗ってくれます。自己破産後、どのように引越し先を探し住む場所を確保するのか、専門家からのアドバイスをもらいましょう。

 

財産の差し押さえについて

自己破産をすると、借金が免除される代わりに持っている財産は処分・没収されます。でも、一体どんな財産がどこまで差し押さえられてしまうのか、漠然としか知らないという人も多いと思います。中には自己破産をすると無一文になってしまうと考えている人もいるようですが、そんなことはありません。
自己破産後も、人生は続きます。生活をしていかなければなりません。
何もかも失って無一文にはなりません。生活に必要とされる最低限のものは手元に残ります。

 

手元に残る財産

現金として手元に残せるお金は99万円以下です。99万円を超えると財産と見なされ没収されてしまいます。
生活して行く上で必要な家具、衣類、食器、調理器具なども処分の対象外です。(ただし、高級家具、高級食器などは処分の対象となることがあります。)家電は差し押さえの対象になりますが、相当高価な価値のあるものでなければ手元に残すことができます。
基本的に、20万円以下のものは処分の対象外になるので、価値が20万円以下の自動車も対象外となります。

 

差し押さえの対象となる財産

20万円以上の価値がある所有物は差し押さえの対象になります。自家用車の場合、ローンの残席状況によって扱いが変わります。ローン返済中の車はローン会社に引き上げられてしまうので手元には残りません。ローンを支払い終えている車については、20万円以上の価値があるものは現金に換価され債権者へ分配されます。初年度登録から10年以上経っている車は中古車価格がほぼ0円と査定される場合が多いので所有が許されるケースもあります。

 

生活保護や年金で受給するお金、小規模企業共済受給権・中小企業退職金共済受給権などは差し押さえが禁止されています。差し押さえの対象になることはありません。

 

自己破産をすると財産が差し押さえられる、全財産を失うと考えている人もいますが、このように対象外となるものもたくさんあります。生活に必要な最低限の所有物や現金の所持は認められているのであまり心配しすぎないようにしてください。

 

ブラックリスト入りするとどうなるの?

自己破産などの債務整理を行うと、金融機関の個人信用情報に事故情報が残ります。いわゆる「ブラックリスト入り」することになります。新たに借金をしようとしたりローンを組もうとしても、金融機関の審査でその情報が引っかかってしまうので、新しい借金やローンの利用ができなくなります。

 

ブラックリストに一度事故情報が記載されると、しばらくの間消えません。だいたい5年〜7年くらいの間情報が残るので、その期間は新規の借金、ローン申込み、クレジットカード作成などができなくなります。

 

逆に、ブラックリスト入りしてどこからもお金が借りられなくなった状態の人を狙ってお金を貸そうとしてくる悪徳な業者もいます。
自己破産経験があってもOK、ブラックリスト入りしていても融資可能だと勧誘してくるのですが、ほぼ間違いなく法定金利以上の高い金利を取るヤミ金融業者です。ヤミ金からお金を借りてしまったら、せっかく自己破産をしたのになんの意味も無くなってしまいます。

 

ブラックリスト入りしていてもカードを作成できる?

ブラックリストに情報が載っていると、新規クレジットカードの作成はできません。でも日常生活の中で、必要な支払いのためにカードを持ちたいと思う人も当然いますよね。
そんな場合には、デビットカードを作ると良いでしょう。
デビットカードはクレジットカードと同じように支払い・決済に利用できるものです。クレジットカードと違う点は、銀行口座にあるお金からリアルタイムで決済されるという点です。つまりクレジットカード払いのように月末や翌月までお金を借りている状態にはなりません。
デビットカードは、ブラックリスト入りしている人でも新規作成可能です。

 

例えばインターネット決済やネット通販で買い物をした時の支払いなど、カード払いでないと不便なシーンはたくさんあります。今の時代、自己破産後も支払い機能のあるカードは必需品であると言えます。デビットカードの作成には銀行口座を用意する必要があります。口座の開設は自己破産後でも可能なので、口座を作りデビットカードを作成すると便利です。

 

自己破産をしても残る債務がある?

自己破産手続きを行い免責許可が下りれば借金は免除されます。ただし、ここにも例外があることを覚えておきましょう。免責許可の対象外になるものがあるので、自己破産後も返済を続けなければなりません。

 

税金、社会保険料

まず免責の対象外となるのは、税金や社会保険料です。
住民税、国民健康保険、国民年金保険料を始め、罰金、損害賠償金などの義務に関わる請求権は免責の対象外です。
そのようなお金の支払いは自己破産後も続けなくてはならないので、負担を減らすためにも破産申請をする前にできるだけ支払いを済ませてしまう方が良いでしょう。
というのも、財産の差し押さえにより99万円以上の現金は所持できなくなってしまうので、99万円から返済や支払いを続けるのは大変です。99万円以上のお金を持てるうちに支払えるものは支払ってしまった方が良いというわけです。

 

養育費

養育費も免責の対象外となります。自己破産をしても、子供を育てていくためのお金は払わなくてはなりません。借金が原因で離婚をする夫婦もいますが、一方が自己破産をしても養育費を支払う義務は無くなりません。家庭裁判所へ調停を申し立てると、養育費の減額が認められることはあります。

 

雇用していた人への給与

個人事業主をしていた人が破産をした場合、雇用していた人たちに支払う給与は免責されません。法人として雇用していた場合はまた別ですが、個人事業主の場合には支払い義務が残ります。どうしても給与の支払いが一括で難しい場合は、分割払いでも良いかどうか交渉が必要です。

 

借金の免責に関する注意点

自己破産を申請する際に、申告する債権者に漏れがないかどうかよく確認することです。
破産申請のために裁判所に提出する必要書類の中に「債権者一覧表」というものがあります。ここには債権者の情報が明記されています。この一覧表に載っている金融機関・信販会社が対象となり免責許可が降りるので、もしも一覧表に載せ忘れてしまった債権者があると免責の対象から外れてしまうのです。一覧表記載し忘れた債権者からの借金は免責されないので、借金の返済を続けなければならなくなります。

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